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聴耳草紙 (下) / 佐々木 喜善 (10枚組オーディオブックCD) 9784775984895-PAN
.定価:2970円
岩手県遠野地方に伝わる不思議な話
百姓の娘と飼い馬の悲恋譚「オシラ神」ほか 全99話収録
柳田國男が明治43年に発刊した『遠野物語』の話者である佐々木喜善は、昔話の採集によって日本の民俗学に大きな業績を残しました。
折口信夫や金田一京助は、その先駆的な偉業から喜善を「日本のグリム」と讃えたといいます。
『聴耳草紙』は喜善が長い年月をかけて掘り起こした遠野地方の昔話・伝説を183編にまとめたものです。
昔話はもちろん、河童に出くわした体験談をはじめ、神様や妖怪が人々の暮しに深く結び付いた不思議な話は実話として今なお遠野で語り継がれています。
八七番「兎と熊」
昔あるところに兎と熊がいた。
熊は鈍くさく、兎は賢いので、熊はいつもいいように使われていた。
この日も二人は揃って薪取りに行った。
熊の方が力も強く、沢山の薪を切り出したが、兎はわずかしか取れない。
それでも帰りの道中は、疲れたふりをして、熊に全ての薪を背負わせ、兎は楽をしていた。
お人好しの熊は、ついには兎の身体まで背負って歩いたが、後ろからカチリカチリと変な音がするので「兎さん、これは何の音だ」と聞くが …